窓際
窓際が好きだ
まだ暑すぎないこの季節
柔らかな風が肌に触れる
涼しい風は優しい
目で見る美しい景色より
いつものお気に入りの曲より
心を無にしていたって
風は平等に誰にでも優しい
だからこの頃は夕方にベランダで風を感じる
それを日課にしている
仕事も勉強も思考も人生も
何も考えないでいられる
ただ唯一の時間
私はいつか風になりたい
どこにでも行けるし誰にも見えないから
そんなふうに思っていたこともあった
なににも縛られずに
誰の目にも触れずに
ただそっと誰かを包み込む
そんな風に私はなりたかった
窓際でついつい眠ってしまうのは
私が風に近づいて触れたら
いつのまにか風と一体化していて
風のように自由になれる
そういう夢を見たいからなのかもしれない