こまめしるこのくらし

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百日紅の下にて

散れば咲けよ百日紅

 

これはある歌詞の一部だ

百日紅で思い出したことがある

つまりこの曲は今は関係ない

 

百日紅の下にて』

これは横溝正史の短編推理小説

 

これまた関係ないが百日紅という字は興味深い

普通の知識ではまず読めない

いったいどこが「さる」で「すべり」なのか

「猿滑」とかならわかる(この字もある、「紫薇」というのもある

ヒャクジツコウのほうが納得できる

そう呼んだなら100日程度花を咲かすから

というのもわからなくもない

木が猿も滑るようにつるつるしているから「サルスベリ

猿が落ちた木は百日紅だったかもしれない

 

さて本題に戻る

この物語語れることがほとんどない

ついネタバレしそうになってしまうから

 

一つ言えるのは横溝作品にしては陰鬱ではない

もちろんつらいことが起こらないわけではない

生々しくないかといわれると違うと答える

でも暗くはない

きっと解決したことが救いになる

これは終わった物語だ

主人公や語り手がミスを犯しても

それで犠牲になる者はいない

過去の絡み合った糸がほどけることで

今救われる者がいる

 

読み終わった後はどこかすっきりとする

この物語は特に終わり方が好きだ

だからもっと多くの人に読んでほしい

横溝正史は陰鬱な金田一シリーズだけではないぞと

 

 

殺人鬼 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)