承認
承認欲求
近頃よく身にするようになった言葉だ
初めて聞いたのは心理学の授業だった
一人でいることのほうが多い私には
Instagramでキラキラした写真ばかりあげている
またはスターバックスでパソコンをしている
そういう人をどこか馬鹿にしていた
おしゃれな自分に酔っているだけだと
おしゃれな飲み物を飲む
おしゃれな空間にいる
それを自分をおしゃれだと勘違いする
周りの人がそう勘違いしてくれる
それが承認欲求だと思っていた
その認識は特に今でも変わっていない
だけど変わったことが一つある
私の書く絵も文も音楽もそうだ
誰にも見られていないのにインターネット上にある
最初は自己満足で済んでいた
でも人の目に少し留まると
もっとという欲望が出てきてしまう
この世には絵や文や音楽で生きている人がたくさんいる
私は何も学ばず努力もせず勇気も持たず
そういう人たちに嫉妬している
私が意味のないと思える絵だって
人々が評価している
それだけでその絵には意味が生まれる
私は意味のない心に響かないものを
ずっと作り続けている
それはきっと無駄なことだ
自分は動かずに
誰かが自分を認めて
ここから救い出してくれるのをずっと願っている
私の承認欲求は
キラキラしたストーリーよりも加工されていて
おしゃれなカフェのブラックコーヒーよりも暗い
それを美しく見せる術も
隠す術も知らない